【初心者必見】新宿 北村写真機店 ジャンクフロアスタッフが教える「ジャンクカメラとレンズの見るべきポイント」|デジタル一眼レフカメラ編
はじめに
『【初心者必見】新宿 北村写真機店 ジャンクフロアスタッフが教える「ジャンクカメラとレンズの見るべきポイント」』は名の通り、カメラ初心者の方でもジャンクカメラやジャンクレンズを安心してご購入できるように、魅力や選ぶ際のポイントを新宿 北村写真機店のジャンクフロアのスタッフに聞くシリーズです。
前回は新宿 北村写真機店のジャンクフロア担当の山下さんに、「そもそもジャンクカメラとは?」や、ジャンクカメラの魅力・ジャンクのフィルム一眼レフやオールドレンズの選び方を教えてもらいました。
ジャンクの意味や、カメラのキタムラではどのような商品がジャンクと呼んでいるかは前回の記事に載っていますのでぜひこちらもご覧ください。
今回は第2弾として、ジャンクのデジタル一眼レフカメラの選び方や注意点を聞き、実際に筆者もジャンクのデジタル一眼レフカメラとレンズを購入して撮影してきました。
ミラーレスカメラにはない一眼レフカメラの魅力
デジタル一眼レフカメラ(以降「一眼レフカメラ」)は手軽に扱えるエントリーモデルから高性能なプロフェッショナルモデルまで幅広いことに加えて、鏡やプリズムの反射によって被写体の動きがリアルタイムで見える光学ファインダーが特徴的なカメラです。
シャッターを押したときに「カシャッ」とミラーが上がるときの音はカメラファンの心を掴み、ディスプレイに美しい写真が表示されファインダー越しの景色がより美しく感じるのは一眼レフカメラならではの楽しみといえます。
しかしミラーレスカメラの性能がここ数年で一気に進化。これまで一眼レフカメラにはなかった機能も搭載されるようになり、販売台数の変動や町を歩く人のカメラを見るとミラーレスカメラが主流になったと感じます。
これまで一眼レフカメラを使用していたユーザーもミラーレスカメラへ乗り換えをした方も多く、若い方を中心に「初めて購入したカメラはミラーレスカメラ」というSNSの投稿も良く見かけるようになりました。
筆者もその一人で元々は一眼レフカメラユーザーでした。しかし2018年に発売されたソニーα7IIIの瞳AFに衝撃を受け、当時使用していたニコンの一眼レフカメラD750を売却しα7IIIを購入しました。
それから月日が経ち「やはりミラーが上がるときのあの高揚感はまた味わいたい」と感じましたが、「高いカメラをもう1台買うのはちょっと、、」と思う日々。そんな時にジャンクなら更に安く買えるということに気が付き、ジャンクのデジタル一眼レフカメラを購入しました。
D750とα7IIIのレビュー記事も公開しています
【コスパ最高!】ニコンD750が大人気な理由
D750のご紹介記事はこちら
α7IIIを6ヵ月堪能した感想とレビュー
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選ぶポイントと注意点
前回のフィルム一眼レフ編でもお伝えしましたが、ジャンクカメラ・レンズは価格が安いという最大の魅力があるものの、返品や交換ができません。また、デジタルカメラはフィルムカメラよりも電子部品を多く使っていることからより慎重に吟味が必要です。
山下さんにジャンクのデジタル一眼レフカメラ・レンズを選ぶ際のポイントを聞きましたので、ぜひご購入時の参考にしてみてください。
デジタル一眼レフカメラボディを選ぶポイント
1.記録メディアを確認
デジタル一眼レフには現在も主流となっているSDカードの他に、コンパクトフラッシュなどあらゆる記録メディアが使われていました。既にSDカードを持っている方の場合、コンパクトフラッシュを採用しているカメラを購入すると記録メディアを別途購入する必要があるため事前に確認しましょう。
もちろん購入前に自身のSDカードを持参し確認するのもOK。きちんとカードに記録されるかをテストするついでにカードの規格があっているか確認することで記録メディアの間違いを防げます。
2.バッテリーの状態をチェック
“デジタル”のカメラなので、バッテリーや電池を使います。バッテリーは個体差がとにかく大きく、バッテリーの消費状態によっては撮影時にもかなり影響がでるため確認をしましょう。
確認方法は、充電式のバッテリーを使用する機種であれば数回シャッターを切ってみましょう。急激にバッテリーの残量表示が下がるようであれば、バッテリー性能が低下している可能性があり、フル充電をしてもすぐに撮影ができなくなる可能性があります。
また、バッテリーを平らなところに置き、浮いている部分がないかを確認するのも大切です。バッテリーが膨らみ置いたときに浮くようであればバッテリーが劣化していると言えるでしょう。
山下さんのおすすめカメラ
エントリーモデルであれば、キヤノンのデジタル一眼レフ”EOS Kissシリーズ”がおすすめです。最近のモデルであれば、以前までのミドルクラス以上(あるいは相当)の基本性能があります。また、多少古くてもスナップであれば特に不便さを感じませんし、小さくて軽いためおすすめです。
何よりもキヤノンのデジタル一眼レフはAFフィルムカメラ時代からのレンズがほとんどそのまま使えますし、レンズの流通量や種類も豊富なのが魅力です。
レンズを選ぶポイント
1. 光に向けてクモリや大きなカビが無いか確認
これは前回の「フィルム一眼レフカメラ編」でも同じ内容をお伝えしましたが、デジタル一眼レフ用のレンズも同じく重要なポイントです。
大きなクモリやカビは写真にうっすら膜がかかったような印象になります。天井のライトに向けるとレンズが良く見え、うっすら白く膜がかかっているものや蜘蛛の巣のようなカビがびっしり入っている場合は他のレンズを選びましょう。
2.AF(オートフォーカス)のレンズはAFがしっかりと動くか確認
大きなクモリやカビが無ければ、実際にボディにつけてAFや絞りが動作するか確認しましょう。撮ってすぐ確認できるのがデジタルの良さなので、撮影して再生するまで一連の動作をしてみて気になる点がないかしっかり確認しましょう。
特にフィルム時代のレンズはボディ側が対応しておらず、AFが効かないものやレンズ自体を認識しないものも一部あるため注意しましょう。
山下さんのおすすめレンズ
デジタルはフィルムと違いISO感度をある程度幅広く調整することが可能です。そのため単焦点レンズにこだわることなく、F値が少し暗いズームレンズでも自身にとって気持ちよく撮れる画角(写る範囲)を優先するのが良いと思います。
もちろん単焦点レンズも良いので、自身の好きな画角がある方は単焦点レンズを使うのもおすすめです。その際はセンサーサイズに対応したレンズかをしっかりと確認することもお忘れなく。
描写チェック
今回実際に筆者が購入したジャンクのデジタル一眼レフカメラとレンズで写真を撮ってみました。
購入した一眼レフカメラはニコンのD5200。レンズはキットレンズでお馴染みのAF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G EDと、単焦点レンズのAF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gです。
筆者が初めて購入した一眼レフカメラがD5200のレンズキットなので、今回購入したボディとズームレンズのセットは当時購入したものと同じ内容です。手に持つと、どこか懐かしくてそれだけでも購入して良かったと思いました。
※ カメラ・レンズともにそれぞれ個体差があり同様の描写でない場合がございます。予めご了承ください。
D5200の状態はミラーにカビがあることとフラッシュが発光しないことがあります。
しかし私が今回購入したD5200に求めたのは、「休日の日中にお散歩がてら一眼レフカメラならではのミラーが上がるシャッター音とヌケの良いファインダーを楽しみたい」ということだったためこれらの状態であれば全く問題ありません。
レンズの状態はズームレンズ、単焦点レンズのどちらもレンズ内にカビとゴミ、ホコリが入っている状態です。
AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G EDはキットレンズとして手に取った方も多いと思います。単焦点レンズや開放F値が低めな大口径レンズと比較すると大きなボケは作りづらいですが、非常にコンパクトかつ手振れ補正が入っていることが魅力です。
青空が映えるカラーもシャドーが締まっているモノクロ、どちらも良い写りをしていると感じました。
お次のレンズはAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G。こちらも以前筆者が所有していたことのあるレンズで「キットレンズの次は単焦点を買おう!」と思い購入した記憶があります。
当時購入したレンズは後に「三次元的ハイファイ(高再現性)」の設計思想により誕生したAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gを購入するための下取に出したので手元にありません。しかし再び手にしてみるとコンパクトで扱いやすい最高な入門レンズの一つだと感じます。
開放F値が低いこともありますがカビやゴミも写っておらず、筆者としては納得のいく描写をしてくれました。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gは先ほどのレンズと同じニコンFマウントですが、FXフォーマット(フルサイズセンサー)に対応したレンズです。そのためDXフォーマット(APS-Cセンサー)採用のD5200に装着すると焦点距離が1.5倍、35mm換算で75mm相当と写る範囲が狭くなるので購入時は気を付けましょう。
ポートレートや主題が決まっているような写真では非常に活躍してくれるのですが、もう少し広い画角のレンズが欲しいという方は、ニコンDXフォーマット(APS-C)
対応のAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gがおすすめです。
おわりに
今回はジャンクのデジタル一眼レフカメラとレンズの選ぶポイントや注意点をお伝えいたしました。
ここ最近デジタルの撮影はミラーレスカメラを使用した撮影が多かったため、一眼レフカメラでの撮影は久しぶりでした。撮影する時点ではどのような写真になるか分からないのはフィルム一眼レフも同じですが、撮影した後に再生ボタンを押してどのような写真になっているか、「もう少しこうしてみよう」と確認しながら追い込む工程も久しぶりだったので逆に新鮮でした。
過去に一眼レフカメラを使用していた方も初めて購入したカメラをもう一度使ってみると、シャッター音や上記のような工程の懐かしさはもちろん「今の自分がどれだけ上手く使えるのか?」と挑戦してみるとより楽しく撮影できることでしょう。
今回取材した新宿 北村写真機店をはじめ、ジャンクを取り扱っているカメラのキタムラ店舗ではご購入前に実際に手に取ってご確認いただけます。お伝えしたポイントを参考にぜひ自分にあった一品を見つけてみてください。
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カメラのキタムラポータルサイト『ShaSha』より転載